マンション大規模修繕とアスベスト調査|総会にかける前に済ませてください
最終更新:2026-09-03
結論:大規模修繕は事前調査の対象です。そして最も大事なのはタイミング——総会の議案を作る前に調査を終えてください。着工後に石綿が見つかると、足場を組んだまま工事が止まり、追加費用の議案をもう一度総会にかけることになります。
マンションの大規模修繕は12〜15年周期。工種が多く、金額も大きく、 そして管理組合の総会という動かせない意思決定の場があります。 アスベスト調査でつまずくと、この意思決定がやり直しになるのが一番の痛手です。
工種ごとの確認箇所
| 工種 | 確認するもの | 詳しくは |
|---|---|---|
| 外壁・シーリング | 目地のシーリング材、外壁パネル、仕上塗材、タイル下地のモルタル | 外壁改修/塗膜の除去 |
| 屋上・バルコニー防水 | アスファルト防水材、笠木・脱気筒まわりのシーリング、下地調整材 | 屋上防水の改修 |
| 給排水管の更新 | 配管の保温材、PS内の建材、壁床の貫通部 | 給排水管の更新・更生 |
| エレベーター | 機械室の吹付け材、昇降路内壁、乗場枠まわりのモルタル | エレベーター改修 |
| 共用部の内装 | 床のPタイルと接着剤、天井・壁の成形板 | 内装・原状回復 |
| 各戸の浴室・水まわり | 在来浴室のタイル下地、ユニットバスまわりの建材 | ユニットバス交換 |
大規模修繕は、レベル1・2が出る工種と、レベル3で済む工種が混ざります。 外壁のシーリングや屋上防水はレベル3が中心ですが、 エレベーター機械室の吹付け材はレベル1、配管の保温材はレベル2。 工種によって工期への影響がまったく違うので、まとめて一度に調べるのが合理的です。
近年は機械式駐車場を撤去して平置きにする案件が大規模修繕とあわせて増えています(機械式駐車場の撤去・平置き化)。窓の断熱改修を同時に行う場合はサッシ・窓の改修もご覧ください。
なぜ「総会の前」なのか
管理組合の意思決定は総会です。そして総会は年1回、あるいは臨時総会を招集しないと開けません。
| 調査のタイミング | 何が起きるか |
|---|---|
| 修繕計画の段階で調査 | ◎ 除去費まで含めた金額で議案を作れます。一度の総会で決議できます |
| 総会で承認された後、着工前に調査 | △ 石綿が出れば予算超過。臨時総会か、工事範囲の見直しになります |
| 着工後に発覚 | ✗ 足場を組んだまま工事が止まります。解体も再設置もできません |
足場は、組んだら降ろせません。 着工後に石綿が見つかると、
- 分析に中5営業日、レベル1・2ならさらに届出に14日——最低3週間、足場が遊びます
- 足場のリース費用は止まっている間も発生します
- 居住者への告知(工期・洗濯物・バルコニーの使用制限)をやり直すことになります
- 追加費用の承認のため、臨時総会の招集が要ります
調査そのものは現地1時間かかりません。この順番を間違えるかどうかだけの話です。
大気汚染防止法の届出は「管理組合」が出します
レベル1・2が見つかった場合、大気汚染防止法の特定粉じん排出等作業実施届出を
作業開始の14日前までに提出する必要があります。
この届出義務者は発注者——つまり管理組合です。
施工会社が出すものではありません。
理事長の押印が要るため、理事会の日程まで含めて逆算してください。
「元請がやってくれているはず」と双方が思っていると、誰も出さないまま14日を切ります
(見つかったらどうなるか)。
1棟まとめて調べるほうが安く済みます
マンションは全戸・全面が同じ年代の同じ建材です。 1箇所で調査すれば結果を横展開できるため、まとめて調べるほど1箇所あたりの単価は下がります。
逆に、工種ごとに別々の会社が別々のタイミングで調べると、 同じ建材を何度も分析することになり割高です。 修繕計画を立てる段階で、全工種をまとめて1回で調査するのが最も安くなります。
報告が必要かどうか
- 事前調査:規模を問わず必要
- 行政への報告:改修工事なので請負金額が税込100万円以上なら必要
大規模修繕でこの金額を下回ることはありません。 報告は着工前に電子システムから行います(アスベスト調査は義務?)。
管理会社・修繕会社さまへ
建物の築年・戸数・階数・今回の工事範囲(外壁/防水/給排水/エレベーター)・総会の予定を 教えていただければ、調査の範囲と、総会から逆算したスケジュールをその場でお答えします。 判断だけなら費用はかかりません。
当社は調査を自社で実施します。石綿が出た場合の除去工事は500万円未満なら当社が直接施工し、500万円以上は建設業許可を持つ提携先の株式会社エコ・テックが受注します(現場監督は当社が担当)。産業廃棄物の処分は規模にかかわらずエコ・テックと連携します。 調査の段階で「あった場合はいくら・何日」まで含めてお伝えできるので、 総会の議案を一度で作れます。