給排水管の更新・更生工事とアスベスト調査|保温材・貫通部・石綿セメント管
最終更新:2026-08-31
結論:給排水管の更新・更生工事は事前調査の対象です。見る場所は配管そのものではなく保温材・貫通部の充填材・パイプスペース内の建材。屋外の埋設管では石綿セメント管にも注意が要ります。
ビルやマンションの給排水管更新は、築30〜40年で必ず来る工事です。 範囲が配管だけに見えるため対象外と思われがちですが、事前調査は規模を問わず必要です。
石綿があるのは配管ではなく「まわり」です
| 箇所 | 何があるか | レベル |
|---|---|---|
| 配管の保温材 | 給湯管・空調配管に巻かれた保温材 | レベル2の可能性 |
| フランジのパッキン | 継手部のガスケット | レベル3が多い |
| 壁・床の貫通部 | スリーブまわりの充填材、防火区画の埋め戻し材 | レベル3が多い |
| パイプスペース内の建材 | 点検口の扉、内壁のケイカル板・成形板 | レベル3 |
| 埋設の石綿セメント管 | 屋外の上下水道の本管 | 成形品だが破砕に注意 |
一番見落とされるのが貫通部です。 配管の更新でルートを変える、口径を変える——そのたびに壁や床の貫通部を壊すことになります。 「配管を入れ替えるだけ」という感覚だと、ここが調査の対象から漏れます。 配管まわりの考え方は配管設備の改修とアスベスト調査でも扱っています。
更新工事と更生工事で、対象範囲が変わります
| 工法 | やること | 対象範囲 |
|---|---|---|
| 更新工事 (配管の入れ替え) |
既存配管を撤去し、新しい配管を敷設 | 広い。保温材の撤去、貫通部の斫り、PS内の解体を伴う |
| 更生工事 (ライニング・更生) |
既存配管を残し、内面を樹脂等でライニング | 比較的限定的。ただし接続部の切断や、機器まわりの撤去があれば対象 |
更生工法は既存を活かすため撤去が少なく、対象になりにくい工法です。 ただし完全に何も壊さない工事はまずありません。 バルブや水栓の交換、点検口の新設、機器の入れ替え—— どこか1箇所でも既存を壊すなら調査が必要です。
屋外の埋設管は「工作物」側になります
上下水道管などの地下埋設物は「工作物」に該当します。 建物の中の給排水管は建築設備=建築物側ですが、 敷地内から先の埋設管を掘って入れ替える工事は工作物側のルールです。 令和8年(2026年)1月1日以降に着工する工事からは、 工作物石綿事前調査者の資格を持つ者による調査が必要になります (工作物の事前調査に資格が必要になりました)。
古い配水管には石綿セメント管が使われていたことがあります。 成形品なので飛散性は高くありませんが、掘削時に割る・切断する作業では飛散対策が必要です。
1棟一括の改修は、1戸あたりの調査費が下がります
マンションや社宅の給排水更新は全戸同じ年代の同じ建材です。 1戸で調査すれば結果を横展開できるため、戸数が多いほど1戸あたりの調査費は下がります。 逆に、後から1戸ずつ調べ直すと割高になります。
実務で読みにくいのは調査そのものではなく、建物に入るまでの段取りです。
- 入居者・管理組合との日程調整
- 空室のタイミング合わせ(空室で調査できると段取りが楽です)
- 共用部・PS内の鍵の管理者
連絡いただく時点で「いつ入れるか」が分かっていると、逆算が正確になります (事前調査は何日かかるか)。
給排水の更新を大規模修繕とあわせて行う場合は、外壁・屋上・エレベーターまで含めて1回でまとめて調査した方が安くなります(マンション大規模修繕とアスベスト調査)。
報告が必要かどうか
- 事前調査:規模を問わず必要
- 行政への報告:改修工事は請負金額が税込100万円以上
1棟の給排水更新でこの金額を下回ることはまずありません。 なお報告が不要な規模でも調査は必要です(アスベスト調査は義務?)。
保温材が石綿含有だった場合はレベル2となり、 除去に14日前までの計画届が必要です。 入居中の建物では工期の延長が居住者への影響に直結するため、 計画段階での調査を強くおすすめします(見つかったらどうなるか)。
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