配管設備の改修とアスベスト調査|保温材とフランジのパッキンに注意
最終更新:2026-08-31
結論:配管設備の改修は事前調査の対象です。注意すべきは3箇所——保温材、フランジのパッキン、貫通部の充填材。いずれも「配管を外すだけ」の感覚で触れてしまう部分です。
給排水、空調、消火——配管の改修は建物のどこでも発生します。 そして配管まわりは石綿が使われている箇所が集中している場所でもあります。
配管工事で石綿が出てくる3箇所
① 保温材・断熱材
配管や機器に巻かれている保温材は、外から見えないうえに、劣化して飛散しやすい状態になっていることがあります。 配管をやり替えるには保温材を剥がすことになるので、ここは必ず確認が要ります。
② フランジのパッキン(見落としが多い)
フランジとフランジの間に挟まっているパッキンは、多くの場合アスベストです。 ポンプの入れ替え、バルブの交換、配管の切り回し——接続部を外す作業には必ず絡みます。
やっかいなのは見た目では判断がつかないことです。同じように見えても、 ノンアスのものと石綿入りのものがあります。
③ 貫通部の充填材
配管が壁や床を貫通する箇所には、防火区画処理のための充填材が入っています。 配管を抜き差しすればここを壊すことになります。
2026年1月から、工作物としての要件も始まっています
配管設備の工事には、建築物としての要件と工作物としての要件の2つが関わります。
| 有資格者による調査が必要になった時期 | |
|---|---|
| 建築物 | 令和5年(2023年)10月1日以降に着工する工事から |
| 工作物 | 令和8年(2026年)1月1日以降に着工する工事から |
特定工作物17種には 「配管設備(建築設備を除く)」 が含まれています。 つまり、建物に付属する建築設備としての配管なのか、独立した工作物としての配管なのかで扱いが変わります。
この「建築設備を除く」の線引きが実務では一番やっかいです。 図面と現地の状況を見ないと判断が難しく、間違えると資格要件を満たさないまま調査したことになります。 迷ったら確認してください。詳しくは工作物の事前調査が2026年1月から有資格者必須にで解説しています。
なお当社の調査者は建築物・工作物の両方の資格を保有しており、 工作物の資格は義務化に先立ち2025年9月に取得済みです。どちらに当たる現場でも切り分けからお答えできます。
配管の保温材・耐火被覆材はレベル2にあたります。除去する場合は工事開始の14日前までに労働基準監督署へ計画届が必要です。レベル2が計画届の対象になったのは令和3年4月1日からで、それ以前の感覚のまま段取りを組むと間に合いません。詳しくは調査で石綿が見つかったら、そこから何が起きるかをご覧ください。
冷凍・冷蔵倉庫のブライン配管は結露で保温材の劣化が早く、更新のご相談が多い設備です。ブライン配管の保温工事とアスベスト調査で詳しく扱っています。
報告が必要になるライン
- 建築物の改修:請負金額が税込100万円以上
- 特定工作物の解体・改修:請負金額が税込100万円以上
配管の改修は金額が大きくなりやすいので、報告義務にかかることが多い分野です。 報告は着工前に電子システムから行いますが、分析結果が出ていないと報告内容が固まりません。 実質的に、分析の中5営業日が締切になります。
繰り返しになりますが、報告が不要な規模でも調査そのものは必要です (アスベスト調査は義務?)。
ビル・マンションの給排水管の更新・更生については給排水管の更新・更生工事とアスベスト調査、空調ダクトについては空調設備・ダクトの改修でそれぞれ詳しく扱っています。
採取は早い、待つのは分析だけ
現地での作業は1時間もかかりません。パッキンや保温材なら、必要な分だけ採取すれば数分で終わります。 時間がかかるのは分析機関の結果(中5営業日ほど)だけです。
実務上、意外と読みにくいのが建物に入るまでの段取りです。 機械室の鍵、入館手続き、テナントの営業時間——調査そのものより、ここに日数がかかることがあります。 連絡いただく時点で「いつ入れるか」が分かっていると、逆算が正確になります。
日数の内訳は事前調査は何日かかるか、 すでに日が迫っている場合は工事直前に忘れていた時の3つの手をご覧ください。
設備・配管の会社さまへ
「この工事は建築物と工作物のどちらか」「調査は要るのか」「間に合うのか」—— 判断だけなら費用はかかりません。建物の用途・築年・触る配管の場所を教えていただければ、その場でお答えします。