病院・介護施設の改修とアスベスト調査|止められない建物での進め方
最終更新:2026-09-03
結論:医療・介護施設の改修は、建物を止められないのが最大の制約です。区画して工事を進める以上、調査も区画ごとに、入れるタイミングで行うことになります。入れる日が限られるほど、早く動く必要があります。
病院も介護施設も、閉められません。診療を続け、入所者が生活したまま、 区画を切りながら工事を進めることになります。 この制約が、アスベスト調査の進め方にもそのまま効いてきます。
確認する箇所
| 箇所 | 何を確認するか | レベル |
|---|---|---|
| 機械室・ボイラー室 | 配管の保温材、耐火被覆。24時間動いている設備が多い | レベル1・2 |
| 天井裏 | 吹付け材、配管の保温材。医療ガス・空調の改修で必ず入ります | レベル1・2 |
| 病室・居室の内装 | 床のPタイルと接着剤、天井・壁の成形板 | レベル3 |
| 防火区画の貫通部 | 配管・ダクト・配線を通し直すなら充填材 | レベル3が多い |
| 浴室・厨房 | 下地のモルタル、排気ダクトの保温材 | レベル2の可能性 |
| エレベーター | 機械室の吹付け材。寝台用EVの更新は大工事です | レベル1の可能性 |
医療ガス配管や空調の改修で天井裏に入る工事は、特に注意してください。 自分が触る設備が無害でも、入る場所に吹付け材があれば接触します。 「天井を開けるだけ」でも対象です。
「入れる日」が読めないのが最大の難所です
この分野で日数が読みにくいのは、調査そのものではなく建物に入るまでです。
- 診療時間外・休診日しか入れない
- 病室・居室は空室のタイミングを待つ必要がある
- 感染管理の観点から、区画養生と動線の計画が先に要る
- 機械室は設備を止められる日が限られる
採取作業そのものは1箇所あたり数分です。 壁や天井を大きく壊す必要はありません。入れる時間さえ確保できれば、その日のうちに終わります。 ご連絡の時点で「いつ、どこに入れるか」が分かっていると、逆算が正確になります (事前調査は何日かかるか)。
区画ごとに、段階的に調べられます
フロア単位・病棟単位で順に改修していく計画なら、調査も同じ区切りで進められます。 一度に全館を止める必要はありません。
ただし同じ年代・同じ仕様の部分は結果を横展開できます。 最初の区画で調べた結果が、後の区画の判断材料になります。 1回目の調査で建材の全体像を掴んでおくと、2回目以降が速く安くなります。
レベル1・2が出た場合
除去には工事開始の14日前までの計画届と、 発注者(=医療法人・社会福祉法人)による大気汚染防止法の届出が必要です。
稼働中の建物での除去は、区画・養生の計画そのものが重くなります。 負圧隔離を組む場所、資材の搬入動線、患者・入所者の移動—— 調査の段階でレベルが分かっていれば、この計画を前もって立てられます。 着工後に判明すると、区画計画からやり直しです (見つかったらどうなるか)。
報告が必要かどうか
- 事前調査:規模を問わず必要
- 行政への報告:改修工事なので請負金額が税込100万円以上なら必要
病室1室の改修でも、設備が絡めば100万円を超えます。 なお報告が不要な規模でも調査は必要です(アスベスト調査は義務?)。
施工会社・施設管理の担当者さまへ
施設の用途・築年・改修の範囲・入れる時間帯・工事の区切り方を 教えていただければ、調査の進め方と逆算をその場でお答えします。判断だけなら費用はかかりません。
空調・医療ガス配管は空調設備・ダクトの改修と 配管設備の改修、 給排水の更新は給排水管の更新・更生もご覧ください。