断熱材のアスベストは2種類だけ|断熱工事の事前調査
最終更新:2026-08-31
結論:「断熱工事だからアスベスト」ではありません。レベル2に分類される石綿含有断熱材は屋根用折板断熱材と煙突用断熱材の2種類だけです。ただしこの2つは含有率が90%に達するものがあり、除去には14日前の届出が必要です。
断熱工事の方から「うちが扱うのはグラスウールだからアスベストは関係ない」と言われることがあります。 半分は正しく、半分は危ないので、整理しておきます。
石綿含有断熱材は、たった2種類です
石綿障害予防規則でレベル2に分類されるのは保温材・耐火被覆材・断熱材ですが、 このうち「断熱材」に該当するのは次の2つだけです。
| 種類 | どこにあるか | 流通していた商品名 | 含有率 |
|---|---|---|---|
| 屋根用折板 石綿断熱材 |
工場・倉庫の金属折板屋根の裏側に貼り付けられている | フェルトン/ブルーフェルト/レアフォーム | 90% |
| 煙突用 石綿断熱材 |
ボイラー・暖房設備の煙突の内側に巻かれている | ハイスタック/カポスタック/ニューカポスタック | 90%超のものあり |
含有率90%という数字に注目してください。 レベル3の成形板が数%〜十数%であるのに対して、この2つは桁が違います。 破損・切断すれば大量に飛散します。どちらも1990年頃まで使われていました。
逆に言えば、グラスウール・ロックウール・発泡系の断熱材そのものに石綿は入っていません。 「断熱材の入れ替え」というだけで身構える必要はありません。
では、なぜ断熱工事で調査が必要になるのか
理由は断熱材そのものではなく、作業のために入る場所にあります。
① 天井裏に入る
天井裏で断熱材を敷き込む・吹き込む作業をする場合、 そこに吹付け材(レベル1)や配管の保温材(レベル2)があれば接触します。 自分が持ち込む断熱材が無害でも、既存に触れば対象です。
② 既存の断熱材を撤去する
新規に入れるだけなら「解体等」にあたりませんが、既存を剥がして入れ替えるなら対象です。 とくに工場・倉庫の折板屋根の裏は、まさに上の表の1つ目に当たります。
③ 下地に穴を開ける・切り欠く
断熱材を留めるために壁や天井にビスを打つ、配管を通すために穴を開ける—— その下地が石綿含有の成形板であれば、穿孔も対象です。
断熱改修で件数が多いのが窓まわりです。内窓の設置やサッシのカバー工法も、下地に穿孔するなら対象になります(サッシ・窓の改修とアスベスト調査)。
工場・倉庫の折板屋根は、特に注意してください
屋根用折板石綿断熱材は、外からは見えません。 屋根の内側(下から見上げた面)に貼られているため、建物の中に入って見上げないと分かりません。 1990年頃までの工場・倉庫で、屋根の張り替えや断熱改修を計画しているなら、 見積もりの前に確認しておくべき箇所です。
折板屋根そのものの改修については スレート屋根・折板屋根の改修とアスベスト調査もご覧ください。 煙突用断熱材については煙突・ボイラーまわりのアスベスト調査で扱っています。
「あった」場合、14日が必要になります
石綿含有断熱材はレベル2です。除去・封じ込め・囲い込みを行うには、 工事開始の14日前までに労働基準監督署へ計画届が必要です。 さらに大気汚染防止法の届出も作業開始の14日前までで、こちらは発注者が出します。
含有率が高いぶん、隔離などの措置も必要になります。 工期と費用の両方に影響するので、計画段階で確認しておいてください (見つかったらどうなるか)。
折板屋根に太陽光パネルを載せる場合、架台のボルトが裏の断熱材を貫通する納まりなら対象です(太陽光パネルの設置・撤去)。
報告が必要かどうか
- 事前調査:規模を問わず必要
- 行政への報告:改修工事なので請負金額が税込100万円以上なら必要
工場・倉庫の屋根断熱は面積が大きく、100万円を超えることがほとんどです。 なお報告が不要な規模でも調査は必要です(アスベスト調査は義務?)。
断熱・省エネ改修の施工会社さまへ
建物の用途・築年・屋根の形状(折板かスレートか)・既存を撤去するかどうか・予定日を 教えていただければ、対象かどうかをその場でお答えします。判断だけなら費用はかかりません。
当社は調査を自社で実施します。石綿が出た場合の除去工事は500万円未満なら当社が直接施工し、500万円以上は建設業許可を持つ提携先の株式会社エコ・テックが受注します(現場監督は当社が担当)。産業廃棄物の処分は規模にかかわらずエコ・テックと連携します。 断熱工事そのものもご相談いただけます。