厨房設備の更新・店舗改装とアスベスト調査|排気ダクトと耐火被覆が対象です
最終更新:2026-09-03
結論:厨房設備の入れ替えと店舗改装は事前調査の対象です。見るべきは排気ダクトの保温材とフードまわりの耐火被覆。ここが石綿含有ならレベル2で、除去に14日前の届出が必要になります。営業を止められる日数が短い工事ほど、早く動いてください。
飲食店の厨房は熱と火を扱う場所です。だから耐火・断熱のための建材が使われていて、 そこに石綿が入っていることがあります。店舗改装で最も見落とされやすいのが厨房まわりです。
確認する箇所
① 排気ダクトの保温材・断熱材
厨房のレンジフードから外部へ抜ける排気ダクト。高温の排気を扱うため保温材が巻かれています。 石綿含有であればレベル2にあたり、除去には 工事開始の14日前までの計画届が必要になります。
② フード・厨房機器まわりの耐火被覆
レンジフードの内側、機器の背面、壁との取り合い。火気使用室の内装制限に対応するため、 不燃材が使われています。ケイカル板などの成形板はレベル3ですが、 吹付けの耐火被覆であればレベル1・2になります。
③ 厨房の壁・天井の仕上げ材
ステンレスパネルの下地、天井のケイカル板。既存を撤去するなら確認が必要です。
④ 防火区画の貫通部
ここが最も見落とされます。 排気ダクト・給排水管・電気配線が防火区画を貫通する部分には、耐火のための充填材が入っています。 厨房のレイアウトを変える=ダクトや配管のルートを変えるということなので、 この充填材を壊すことになります。 「厨房機器を入れ替えるだけ」という感覚だと、調査の対象から漏れます。
⑤ 床のPタイル・防水
厨房の床を張り替えるなら、既存のビニル床タイルと接着剤が対象です。 床材については内装・原状回復工事とアスベスト調査で詳しく扱っています。
「機器の入れ替えだけ」でも対象です
| 作業 | 事前調査 |
|---|---|
| 厨房機器を同じ場所で入れ替える(何も壊さない) | 対象外 |
| ダクトの接続部を切断する | 必要 |
| フードを外して下地に触る | 必要 |
| 排気・給排水のルートを変える(貫通部を壊す) | 必要 |
| 壁・天井・床を張り替える | 必要 |
| スケルトンに戻す(原状回復) | 必要 |
判断の基準は「既存を壊す作業があるかどうか」です。 機器を置き換えるだけなら対象外ですが、ダクトを1箇所切るなら対象になります。
営業を止められる日数から逆算してください
飲食店の改装は休業期間=そのまま売上の損失です。 だから工期は極限まで詰められていて、途中で止まる余地がありません。
| 着工から見た連絡のタイミング | 見通し |
|---|---|
| 1ヶ月以上前 | ◎ レベル1・2が出ても対応できます |
| 3週間前 | ○ 分析(中5営業日)+届出(14日)でぎりぎりです |
| 2週間前 | △ 石綿が無いか、レベル3なら間に合います |
| 1週間前 | ✗ 除去が必要になった時点で、休業期間はやり直しです |
物件が決まった時点、あるいは解約通知を出した時点でご相談ください。 居抜きで入る場合も、前のテナントの造作を壊すなら対象です。 設計と並行して調査を回せば、工期に影響しません。
報告が必要かどうか
- 事前調査:規模を問わず必要
- 行政への報告:改修工事なので請負金額が税込100万円以上なら必要
厨房を含む店舗改装で100万円を下回ることはまれです。 なお報告が不要な規模でも調査は必要です(アスベスト調査は義務?)。
排気ダクトの保温材が石綿含有だった場合はレベル2。 届出に14日、その前に分析で中5営業日かかります(見つかったらどうなるか)。
店舗内装・厨房設備の施工会社さまへ
物件の用途・築年・工事の範囲(機器のみか、ダクト・貫通部・内装まで含むか)・休業予定期間を 教えていただければ、対象かどうかと逆算をその場でお答えします。判断だけなら費用はかかりません。
ダクト全般については空調設備・ダクトの改修工事もご覧ください。