耐震補強工事とアスベスト調査|躯体を触る前に、仕上げの下を確認してください
最終更新:2026-09-03
結論:耐震補強は事前調査の対象です。補強そのものより、躯体を出すために剥がす仕上げ材が問題になります。とくに鉄骨造では柱・梁の耐火被覆がレベル1・2にあたることがあり、工期と費用が大きく変わります。
耐震補強は「新しく足す工事」に見えますが、足すためには既存を剥がす必要があります。 ブレースを入れるにも、壁を増し打ちするにも、あと施工アンカーを打つにも、 まず仕上げを撤去して躯体を露出させる——ここが事前調査の対象です。
確認する箇所
| 箇所 | 何を確認するか | レベル |
|---|---|---|
| 鉄骨の耐火被覆 | 柱・梁に吹き付けられた耐火被覆。鉄骨造の耐震補強では必ず出会う | レベル1・2 |
| 天井裏の吹付け材 | ブレースを通すために天井を開ければ接触します | レベル1の可能性 |
| 壁・天井の仕上げ材 | ケイカル板などの成形板。撤去するなら対象 | レベル3 |
| モルタル・下地調整材 | 躯体を出すために斫る部分 | レベル3が多い |
| 外壁の仕上塗材 | 外付けブレースなら外壁側も触ります | レベル3 |
鉄骨造で最も重いのが耐火被覆です。 吹き付けられたものはレベル1・2にあたり、除去には 工事開始の14日前までの計画届と、発注者による大気汚染防止法の届出が必要になります。 「補強金物を溶接するために被覆を剥がす」だけでも、剥がす以上は除去です。
あと施工アンカーも穿孔です
耐震補強では大量のあと施工アンカーを打ちます。 アンカーを打つ位置の仕上げ材が石綿含有なら、それは穿孔=対象です。
| 作業 | 事前調査 |
|---|---|
| 仕上げを撤去して躯体を露出させる | 必要 |
| あと施工アンカーの穿孔 | 必要(仕上げ材を貫通する場合) |
| 耐火被覆を剥がして溶接・接合 | 必要 |
| 天井を開けてブレース・配管を通す | 必要 |
| 補強後に仕上げを復旧する | 撤去時に調査済みなら重複不要 |
学校・庁舎などの公共施設では、工期そのものが動かせません。予算・入札・休館期間から逆算する進め方は学校・公共施設の改修とアスベスト調査にまとめました。
補助金のスケジュールから逆算してください
耐震改修は補助金・助成金を使う案件が多く、交付決定から完了報告までの期限が決まっています。 この期間は延ばせません。
- 設計段階で調査を済ませていれば、除去費まで含めた実施設計と申請ができます
- 着工後に見つかると、分析5営業日+レベル1・2なら届出14日で最低3週間止まります
- 金額が変われば変更申請が要ります
耐震診断の段階で、アスベストも一緒に調べておくのが最も安全です。 どちらも「建物の既存を調べる」作業なので、同じ入館機会でまとめられます (事前調査は何日かかるか)。
報告が必要かどうか
- 事前調査:規模を問わず必要
- 行政への報告:改修工事なので請負金額が税込100万円以上なら必要
耐震補強でこの金額を下回ることはまずありません (アスベスト調査は義務?)。 耐火被覆が石綿含有だった場合の流れは 見つかったらどうなるかにまとめています。
設計事務所・ゼネコンさまへ
建物の構造・築年・補強の工法・触る範囲・補助金の期限を教えていただければ、 調査の範囲と逆算をその場でお答えします。判断だけなら費用はかかりません。
当社は調査を自社で実施します。石綿が出た場合の除去工事は500万円未満なら当社が直接施工し、500万円以上は建設業許可を持つ提携先の株式会社エコ・テックが受注します(現場監督は当社が担当)。産業廃棄物の処分は規模にかかわらずエコ・テックと連携します。 設計の段階で「あった場合はいくら・何日」までお伝えできるので、予算と工程を一度で固められます。